2020年3月9日に、ガス事故を誘因する建設工事現場における防止対策を厚生労働省労働基準局安全課建設安全対策室、厚生労働省医薬・生活衛生局 水道課、国土交通省土地・建設産業局建設市場整備課、国土交通省水管理・国土保全局 下水道部下水道事業課、警察庁交通局交通規制課及び一般社団法人全国登録教習機関協会に対して要請を出したと経済産業省産業保安グループガス安全室が発表しました。
建設工事を施工する際に、しっかりとガス事業者との連携を図りガス管を見つけた場合はガス事業者への確認徹底をし、現場で周知させる事を求めた発表です。 特定液化石油ガス設備工事の届出、液化石油ガス設備士の有資格者および再講習の受講状況の確認を徹底監督する事で事故防止に繋げる狙いです。
プロパンガスだけではなく都市ガスも同様とし、毎年起きているガス管破損事故の防止を呼び掛けています。 2017年~2019年の3年間で496件もの事故が発生しており、負傷者も27名にものぼります。 これらの事故はガス事業者以外が2割以上を占めており、2019年の速報時では206件と事故数が上昇傾向となっています。
物件の壁を縦壊す際にガス管も一緒に裁断してしまうケースや建設機械で誤って破損させてしまうケースなど、建設現場において発生件数が上昇している要因になっている事からも各建設事業者の監督責任は大きく、注意を怠っている事や菅を含むガス設備の把握が重要になっています。
こうした状況を解決する為に以下の点に注意するよう要請されています。
- 工事前には、ガス事業者に、ガス管の有無、その配置及び使用状況について照会するとともに、必要に応じ、工事の際にガス事業者に立会を求めること。
- ガス事業者に照会して得られた情報は、現場の作業者全員に周知して適切な作業が行われるようにすること。
- ガス管が埋設されている付近は、火気や電動工具の使用を避け、特に慎重に手掘り等で作業すること。
- 敷地内に引き込まれる埋設ガス管は、歩道部や車道部よりも浅い場所にあることが多いため、特に注意すること。
- 工事の際、ガス管及びガス管かどうか判断できない埋設管を見つけたときは、ガス事業者に連絡すること。
- ガス臭いと感じた時は、火気や電動工具の使用を中止し、すぐにガス事業者に連絡すること。
事故発生は以下の通りです。
ガス事故 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 合計 |
---|---|---|---|---|
プロパンガス | 195件 | 211件 | 198件 | 604件 |
都市ガス | 406件 | 403件 | 441件 | 1250件 |
合計数 | 601件 | 614件 | 639件 | 1854件 |
建設事故 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 合計 |
---|---|---|---|---|
プロパンガス | 48件 | 48件 | 58件 | 154件 |
都市ガス | 101件 | 93件 | 148件 | 342件 |
事前照会無 | 75件 | 107件 | 173件 | 355件 |
負傷者数 | 9名 | 9名 | 9名 | 27名 |
※経済産業省ガス安全室調べ