液化石油法について

2016年4月に電力の小売り事業が自由化され、2017年4月に都市ガスの小売り事業が自由化されました。一般消費者は各事業者が供給するエネルギーの価格やサービス等を比較考慮し、自身が使用するエネルギーや、供給を受ける事業者を自由に選択することとなり、エネルギー間の垣根を超えた競争が行われるようになりました。
プロパンガスは全国総世帯の約4割で使用されるなど、国民生活を支える重要なエネルギーになっています。また、災害時においては被災地を支える「最後の砦」となるエネルギーとして重要な役割を担っています。一般消費者からは小売価格の不透明性や取引方法に対する問題点が様々な場で指摘されているようです。

目次

2017年6月1日より入居者に説明要請

2017年6月1日より、プロパンガスを利用する賃貸物件に関して、プロパンガス会社が、家主との契約内容を、入居者に公表しなければならなくなりました。この内容について説明をしていくにあたり、まず頭にいれておいて欲しい、基本的な情報としてプロパンガス会社は、以前より、会社毎にそれぞれ自由に料金やサービスが決められるという事です。
では、この義務化はなぜ起こり、どのような影響を及ぼすのでしょうか??

義務化はなぜ起こったのか??

都市ガス自由化の影響

2017年4月より、都市ガスが自由化されました。
都市ガスは、住んでいる地域によって契約するガス会社も決められているうえに、ガス料金もほぼ決まっていました。
しかし、自由化されたことにより、地域が関係なく自由にガス会社を選べるようになったのです。その為、都市ガス会社の中でも、より多くの一般消費者に選んで頂けるように、料金を安くする、また様々なサービスを提供するなどといった競争が起こり始めています。
一般消費者側が自由に選択できるようになった環境の中で、以前から自由化されていたプロパンガス料金や取引方法に対してもメスが入ったと言えそうです。

プロパンガス会社との契約

契約を取りたいプロパンガス会社は、経費を節約したい大家に対し、下記のような手法で契約を結ぶケースなどが見られます。

最初にかかる給湯器やエアコンなどの設置費用をガス会社が負担する。
設置の際にかかった費用は、入居者が毎月支払うガス料金に上乗せすることで、ガス会社は、その費用を回収する。

上記のような契約によって、入居者が割高なガス料金を支払うという、仕組みが生まれています。この問題点が指摘され、2017年6月1日より、義務化されました。

入居者からの不満の声

プロパンガス利用者の方からの不満の声は多く、ここでは実際にあった苦情に関してご紹介していきます。

事例

築2年賃貸アパートに入居。
そのアパートは、メリットとしてテレビなどの家電製品が付属していることを謳い文句としていた。プロパンガス会社からの請求は高額と感じる料金だった為、ガス会社に問い合わせたところ、ガス会社が家主に対し各部屋に配管工事、給湯器、エアコンを無償で設置していた為、その費用がガス代に転嫁していることが発覚。入居する際、仲介業者からプロパンガスである説明は受けたが、費用の詳細についての説明は受けていなかった。

事例2

新築賃貸アパートに入居。
契約時、仲介業者にプロパンガス会社はどこなのか、料金について聞いてみたが、回答は「ガス開栓時に聞いて下さい。わかりません」との事だった。ガス料金は以前のプロパンガスの料金より2倍以上と発覚。
ガス会社に値段交渉したが、断られた。
契約時に不動産業者からプロパンガスの料金紹介をされていたらこの物件を選ぶ事は無かった。

大家の注意事項

プロパンガス会社と家主との契約内容を公表しなければいけなくなった以上、 入居者がガス料金に対して、納得していない場合は、クレームやトラブルに繋がります。
そこで、抑えておきたいポイントがあります。

ガス料金の把握

賃貸住宅の大家や管理会社の方は、契約しているプロパンガス会社の料金形態を把握する必要があります。 入居者は、プロパンガスの料金をどのような料金形態で支払っているのかを把握し、また適切に説明できるようにしておく必要があります。 ここで、経済産業省の不動産業界に対しての基本方針の中の一つをご紹介します。

プロパンガス販売事業者は、オーナー等との合意により集合住宅に付随するガス消費機器やエアコン等の設置費用を負担し、その費用負担を料金回収で実施している場合にはその旨を説明し、内容を書面へ記載するよう徹底を求める。

上記は、入居する前の入居予定者、プロパンガス販売事業者が当該者からの料金照会に応じる際に、説明または書面への記載が求められています。 その為、上記の内容を含め、ガス料金の形態を正しく把握しておく必要があります。

液化石油法改正 ガス料金透明化

2017年6月1日より、プロパンガスを利用する賃貸物件に関して、プロパンガス会社が、家主との契約内容を、入居者に公表しなければならなくなりました。 この、内容について、分かりやすく解説していきたいと思います。

料金メニューの公表

  • HP等を利用した標準的な料金メニューと平均的な使用料に関わる月額料金の表示が徹底されるようになりました。
  • 料金体系の集約化に時間がかかってしまう場合は、上記に関わらず、消費者の参考となる料金情報を早急に公表するよう徹底されるようになりました。
  • プロパンガス会社に公表を促すよう、消費者団体と国が体制が構築されました。

料金の透明化(14条書面)

  • 従来、不動産仲介会社にプロパンガスの料金を訪ねた際、回答がハッキリしないことがありましたが、ガス会社名と連絡先を教えてくれるようになります。その為、賃貸契約を結ぶ前に料金や会社について確認することが出来るようになります。
    もし、料金が高かった場合や、信頼のおけないガス会社だった場合は、契約を結ばないという、選択が可能になります。
  • ガス代に給湯器やエアコン代が上乗せされている場合は、入居時にガス会社と交わす14条書面に、その内容が記載されるようになりました

検針票

ガス会社は、検針票や請求書に、基本料金や従量単価を記載しなくてはいけなくなりました。

通知

ガス代を値上げする際は、1ヶ月前に通知が行くようになりました。

料金等を請求

従来、消費者に料金等を提出する際、その算定根拠というものは記載されないことが多かったのですが、根拠を示すことが義務付けられました。

まとめ

上記のように、法改正が行われたことでプロパンガス会社の料金を透明化していくことに繋がってきました。そして、プロパンガスを利用する方にとっては、料金の詳細が分かる事で、納得して利用することが出来るようになってきています。しかし、このような法改正がありながらも適切に対応してくれないガス会社がまだまだ多い事が問題視されています。入居者のクレームに繋がるような対応のガス会社は変更を検討しても良いかもしれません。
液化石油法にもきちんと対応している良心的なガス会社をご紹介致します。

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