【認定液化石油ガス販売事業者制度】安全な配送供給が許されている範囲・距離について

ガス業界も安心して安全にお客様の元へガスを届ける使命を受け、法律改正や制度の改定をすすめています。消費者に寄り添うより豊かな業界を目指しています。

目次

販売店に求められる保安上の規定

全てのプロパンガス販売店には安全の問題からも様々な許可や認定が必要な事業です。

生活の礎として、安全性の確保は非常に重要なルールとなっています。

緊急時の対応可能な距離と時間

保安上の規定

配送の安全面では、拠点から20Km~30Km以内あるいは30分圏内で配送出来ることが義務付けられています。

しかし、一般道路では30分以上ですが、高速を使えば30分以内という場合もあります。

そのような場合、会社によっては高速を使えば30分以内の為、OKとしている場合もあります。

配送に掛かる時間が優先的に考えられている場合もあれば、地図上で20Km圏内をコンパスで円を描き供給可能エリアを制定している会社もあるようです。

また、支店から離れている場合は他の協力会社や業務委託会社と契約し、そこから配送されている場合もあります。

その為、プロパンガス(LPガス)会社が契約している協力会社や業務委託会社が信頼できる会社なのか?という点は気を付けるべきです。

チェックポイント
契約している会社の場所はどこなのか?
どのような形式に基づいて配送されるのか?

この2点をしっかりと把握しておきましょう。

定期的な消費設備の点検

ガス会社の義務

液化石油ガスの保安確保及び取引適正化に関する法律(液石法)によって「定期供給設備点検」や「定期消費設備調査」が義務付けられています。

毎日使用される事が多い消費設備が適切に稼働しているかを安全面の確認として定期的に点検する事が義務付けられています。

一般的には4年に1度実施する必要があります。

最近では、敷地内や自宅内に入られる事を嫌がる消費者も多く、点検業務に支障をきたすケース報告もあります。

点検業務を拒否されるとガスが止められてしまう事もあるので消費者としては安全性の確認協力へのご理解が必要です。

緩和される認定液化石油ガス販売事業者制度とは

LPガス集中監視システムの仕組み

平成28年4月からスタートしたガス会社へ優遇処置される認定制度がスタートしました。

プロパンガス業界には、経済産業省より発表されている新しい制度が導入される運びとなっております。

集中監視システムの導入によって検針作業や保安上の安全確認が簡易化できる仕組みの導入を指しています。

電力もスマートメーター化が行われ、国の方策としてスマートシティ化の推進がみてとれます。

プロパンガス業界では、こうした認定制度に基づき大手を始めとする管理費の削減や供給範囲の拡大を目指して認定事業者申請が増加しています。

保安認定事業者の種類

こうした業務効率化を図りながら消費者の安全をより一層確保する事ができる集中監視システムの導入が拡がっていますが、販売店となるガス会社側はどのような認定を受けるかをご説明致します。

ゴールド保安認定事業者とは

上記図のような集中監視システムの導入を行い、諸葛官庁から認定を受けた事業者に与えられる優遇処置となっています。

集中監視センターより遠隔にて利用状況を管理・監視する事ができます。

例えばガスの消し忘れなども遠隔操作によりガスを遮断する事ができるため、安全性の確保の強化に繋がる施策でもあり推奨されています。

認定対象事業者の条件

  1. 法令による供給先の一般消費者へ認定機器(スマートメーターや調整器)を設置していること
  2. 法令に基づいた保安確保する機器の期限管理をしていること
  3. 集中監視システムを導入しており、ガスメーターの遮断弁を遠隔操作できること

第一号認定LPガス販売事業者

対象条件
認定対象の供給先の消費者数が70%以上
優遇内容①
保安距離が40Km圏内となり、供給範囲を拡大できる
優遇内容②
業務主任者数が規定より2/3のスタッフ数に緩和
優遇内容③
4年に1回に規定されている消費設備点検・調査が10年に1回に緩和
備考
2の業務主任者と業務主任者代理は一般消費者供給数により人数が定められています。

第二号認定LPガス販売事業者

対象条件
認定対象の供給先の消費者が50%~70%未満
優遇内容
保安距離が40Km圏内となり、供給範囲を拡大できる

担当する省庁

  • 販売所が1つの都道府県区域内にある場合:都道府県知事
  • 販売所が2つ以上の都道府県に跨って1つの産業保安監督部の区域内に場合:産業保安監督部長
  • 販売所が2つ以上の産業保安監督部の区域内にある場合:経済産業大臣

集中監視システム導入コスト削減の取り組み

LPガス集中監視システムのメリット

集中監視システムの導入にはシステムコストが大きく、中~大手事業者しか導入メリットが出てきません。

小規模の事業者は対象外と言っても過言ではない中、こうした問題解決の一手してシステムの共同利用といったシェアリングニーズを模索しています。

無線端末器を共有する事で、1消費者に1台ではなく多くの顧客を複数まとめて監視できる端末の有り方です。

しかしながら、小規模事業者にとってはまだまだ導入メリットは見えにくい傾向であるのと、非常にアナログ管理を長年に渡って行っている事業者が多く、真新しいサービス導入への抵抗もあるようです。

プロパンガス協会の見解

まず保安距離を拡大できる事は消費者へのサービス提供範囲が拡がる為、競争原理に働きかける動きは良い傾向にあると考えています。

しかしながら、小規模事業者側の導入が見込めない状況を逸脱する事はできておらず、大手事業者に偏った政策であるとも感じています。

大手事業者が中小規模の事業者の顧客を獲得する為の制定は少々歪な制度に感じてしまいます。

中小規模でも消費者に歩み寄り、時勢に伴うサービス提供に尽力されている事業者様はたくさんいらっしゃいます。

スマートシティ化を見据えた新しいカタチを目指すのであれば、一定数の痛みが伴う事にも目を向けどの事業者でも導入し易い環境整備に期待しています。

エネルギー自由化とともに競争が激化する中、都市ガスに負けない業界を目指すため、切磋琢磨に価格やサービスの向上に取組んでもらいたいと思います。

経済産業省関連リンク

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