【複雑な料金形態を解説】値上げの理由となる原料調整制度とは!?

プロパンガスはガス会社が自由に価格を調整して供給する事ができる特殊な制度で運営されています。 ここで紹介させて頂く料金形態は4種類あり、各料金形態についてご紹介していきます。

目次

原材料調整制度は、プロパンガスの料金調整に欠かせない役割の一つになります。

この制度が利用され年々値上がりするガス代でお困りの方が全国的に多発しており、都市ガスとの溝は埋められず不信感が募る消費者も多いのが現状といえます。

毎月くる検針票をみても料金形態が分かり難く、どのような内訳で請求されているか詳細に記載がある検針票は多くありません。

基本料金には一体何が含まれているのか。

そもそも1立法メートル辺りの単価設定はどのようにされているのか。

ガス会社の違い、地域の違い、物件状況の違いで大きく異なるガス料金が問題視されている中で、ガス会社側はどのような料金パターンがあるかを解説していきます。

料金設定方法とその種類

①二部料金制

二部料金制は、一番主流となっている料金制度になります。

この二部料金制の仕組みとしては一部は基本料金で、ガスを一切使用していなかったとしても掛かる費用となります。

二部は従量料金です。従量料金は1㎥あたりの金額がありその金額×使用した量で料金が決まります。

二部料金制-ガス料金の仕組み 二部料金制-ガス料金の仕組み

利用しなくても掛かる基本料金は納得をされていない消費者の方も多くいらっしゃいますが、安全面を確保する保安業務があるガス会社側としては請求しなくてはならない必須料金に設定されている場合が多くなっています。

別荘として利用されている方などは、特にこの基本料金への疑問をお持ちの方が多くいらっしゃいます。

②二部料金のスライド制

二部料金スライド制とは、二部料金制の従量料金の部分が段階制になっています。

つまり、使用量によって従量料金が変化するという事です。

スライド式料金設定事例

使用量に応じて設定金額が違っており、◯㎥~◯㎥の幅はガス会社によって異なります。

一つのガス会社の中にも物件や地域によって大きく異なる場合もあり、一口にどのガス会社が良心的かはわからないのが現状です。

スライド式料金の仕組み

使用料に応じて、従量単価、1㎥あたりの単価が変わってくるという仕組みです。

この仕組みを取り入れているガス会社も多く見受けられます。

この料金形態の場合、使用量が少ない0.1~5㎥あたりまでは高い料金設定になっている事が多いようです。

数十パターンをお持ちのガス会社もいらっしゃるようです。

③最低責任使用量制度

最低責任使用量制の仕組み

上記のスライド制に近いものがあるのが最低責任使用量制度です。

これは一定の使用量まで固定の料金となっています。一定量の使用を超えた場合に変動する従量単価料金が加算されていきます。

会社によってはブロック料金とも言われています。

使用量に応じたスライド式の料金形態となっており、ご利用状況に応じて加算する単価計算も変わってきています。

一定の使用量までは使わなくても請求される料金となりますので、利用状況次第では納得いかない消費者も一定数いらっしゃいます。

良心的なガス事業者の場合は一定量まで固定額のためお得なプランになる事もあり、全ては金額設定次第という事がわかります。

④三部料金制

この三部料金制は、二部料金制の基本料金に含まれている設備代などが別立てになっている料金制です。

基本料金に含まれている内容を具体的にいうと、集中管理システムの利用料やガス漏れ警報器の利用料等も含まれています。

三部料金制の仕組み

料金構成
三部料金制の基本料金
三部料金制の従量料金
三部料金制の設備利用料金
三部料金制の設備利用料金

このような利用料などを別立てしている仕組みです。

こちらもガス会社側の設定次第になっており、設定されている料金が安くてもその他の別立て部分で帳尻を合わせていれば結果として高いガス代となります。

⑤複数料金制度

複数の料金設定プランがあり、消費者側が自分に見合った料金プランを選択する事ができる。

あまり使わない方は使用量が少ないのでスタートが安いプランが良いですし、すごく使う方は段々安くなるプランが良いなど。

各ご家庭で消費量は大きく異なってきています。選び方次第でガス代がお得になる仕組みです。

原料費調整制度

料金調整制度は、プロパンガスの原価に伴って販売価格も変動するというシステムです。

この料金形態は、一番透明性の高い料金形態となっており、プロパンガスの輸入価格が毎月正確に反映されます。

原料調整のガス料金調整

また、この制度の重要な項目としては、経済の情勢を毎月毎月、出来るだけ早く料金に反映させるということです。

ガス会社側が経営努力として、どのような料金意識を持っているのかを透明化する役割も含まれています。

消費者としては、原料の価格が変化した際に「値上げされる!!」と考える方も少なくと思います。

しかし、価格が高騰した際にも消費者全体には、全てが反映されないよう抑制も行われています。

毎月の従量単価は、あらかじめ定められた「基準単位料金」に原料費調整による、「調整額」をプラス、もしくはマイナスをして算定します。

基本料金の調整は行われませんが、基本料金設定を変更される業者もいらっしゃいます。

こうした原料調整制度を利用し、自由料金のガス業界では各社に料金調整が委ねられています。

消費者にとって不透明な料金設定と言われる大きな要因となっていますが、輸入価格や円レートによって変動する原価がある為、ガソリンと同じように調整しなければならないのです。

原料調整でガス会社が利用するケースは、値上げ幅は大きく、値下げ幅は小さくする事が目立ちます。上下しながらも右肩上がりのガス料金設定になる多くの原因として問題視しています。

まとめ

今回は、プロパンガスの料金形態についてご紹介してきました。

殆どの会社は、二部料金制、もしくは二部料金のスライド制を取り入れています。

プロパンガスの料金形態にも大きく分けて4種類あるという事がお分かりになられたと思います。

お引越しの際や新たにプロパンガス会社と契約される際は、どのような料金形態の会社なのか、しっかりと把握する必要があります。

結果的に請求されるガス料金が高いのか安いのか、適正価格であるか重要です。

スライド式の料金の場合、使用量が少ない夏場は請求も冬場ほど高くなく気付かない方も多いのですが、割高な料金で利用されてしまっているケースが確認されています。

通年通してどの程度の料金差額が出るかなども当協会では分かり易く理解して頂けるようご案内致します。

是非、参考にしてみて下さい。

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