一般社団法人全国消費者団体連絡会は消費者を守るための様々な活動を発信している団体です。
2020年3月3日に公表された情報を当協会の意見を交えてご紹介していきます。
LPガス等のエネルギーのみならず食品に関する問題やインターネットの問題など様々な情報を発信し、関係省庁等への」意見書の提出などを積極的に行っています。
料金透明化に関する要望
この度、2020年2月26日に出した要望書は、関係各所への解決要請を含む内容です。
以前より、適正な取引に向けた対策として各ガス会社に料金の透明化を図るよう通達が行われました。
経済産業省はこうした各地の声を受け、2017年に取引適正化ガイドラインを作り、多くのガス会社が料金を公表するようになってきましたが、まだまだ全てのガス会社へ強制的に開示するよう整える事ができていません。
では何故、それが実行できないのか。具体的に踏み込む事ができていない内容となっており、抽象的な意見書として消費者の気持ちが反映されるとは思えないものでした。
当協会では、料金の透明化を図る為の問題点を解決しなければならないと考えています。
無償貸与契約に関する要望
無償貸与とは、ガス会社の先行投資、住宅設備機器やガス機器などをガス会社負担で設置施工するサービスです。
物件によって設備貸与の内容は違っている為、供給される料金設定にも変動が生じています。
消費者団体連絡会は、無償配管および無償貸与が足枷となり、消費者の料金をガス会社側の視点で設定されている料金格差に関する要望内容です。
消費者側からすれば、同じLPガスであるにも関わらず料金が違う事への不信感。
こうしたガス会社側や業界を取り巻く様々な事業者の思惑が反映してしまう料金に関して懸念を表明した内容です。
公正取引委員会や国土交通省に対して要望して欲しいと経済産業省へ意見しています。
具体的な全体的な施策はなく、経済産業省への問題提起のみとなっています。
当協会では日々みなさまの声に耳を傾けており、たくさんのお問い合わせを頂いております。
その中で特に集合住宅に起きる無償貸与によって苦しめられている方々からのご相談が多くを占めています。
問題点とその解決方法について
意見するだけでは、抜本的な解決にはなりません。
例えば、よく引き合いに出されるのが石油情報センターが公表する地域毎の平均価格です。
あくまで全ての消費者からヒアリングを行っているわけではなく、ガス会社側の自己申告によって反映している数値となっています。
当協会では多くの消費者の意見を真摯に受け止め、解決に向けた話合いを数多く実践してまいりました。
しかし、残念ながら集合住宅が抱える問題を全て解決する事には至っておらず、まだまだ課題が多い情況です。
卸しガス会社と販売店の関係
販売店となる小売事業者が最終的に料金設定を行っています。
卸しを行うガス事業者との関係も大きく影響していきます。
地域によっては非常に大手が独占的とも言える状況が作られており癒着談合色が抜けていません。
卸業者の顔色を伺うかのような話も多くあります。
また逆に卸元の立場である事から料金を安く提供してしまう事を避ける傾向にもあります。
例えば大手ガス会社はLPガス協会で大きな力を持ち、それによって消費者の声に対応できないケースが確認されています。
当協会にご相談いただく方を地域の良心的なガス会社へご案内を行うとき「そのガス会社から客を奪うような事はできない。協会の支部で睨まれてしまうので・・・」こうした話は全国各地で当協会の活動を狭める要因の一つとなっています。
悪質な料金調整
料金を公表する手法に問題を感じます。
ホームページを所有していないガス会社の方が多いのではないでしょうか。
では、各ご家庭にチラシを配布して料金を公表する場合、ガス会社も多くの痛みを伴う結果を招きます。
店頭で料金表を公開している業者もいらっしゃいますが、店頭まで料金確認にいく消費者のニーズがどこまであるのでしょうか。
つまりガス料金を公表するカタチが整っていない状態であり、公表しなさいと一方的なお達しはむしろガス会社側に混乱を招く事は明白です。
料金を周知させる方法もそうですが、各社が自由に設定できる状況が壁になっています。
公表料金は高い方がプロパンガス事業者にとっては好都合です。
ガス会社は料金を公表、透明化を強制的に図らなくてはならなくなった場合どのような対策に出るのでしょうか。
安い金額に合わせた公表をしない事は容易に想像できます。どちらかといえば高い料金設定を一般的な料金に仕向けるしかありません。
それは果たして消費者にとって良い結果を生むのか疑問が残ります。
その兆候は既に出ており、大手ガス事業者がホームページ上で公表している金額はどれも高い数値になってしまいます。
安い方の料金公表を行なった場合、高い料金設定で供給している顧客kらはクレームに繋がってしまう事を懸念している事も考えられます。
一戸建てに多い建売住宅の問題
建設業者は安く物件を作るために、ガス会社持ちで多くの設備を整えていきますが、購入後に高いガス代で苦しむ方からのご相談も少なくありません。
ご自身で最初から設備機器代をお支払いしていた方が長い目でみれば安くなっていた方が多いほどです。
安く戸建て購入をしたい方にとっては本末転倒です。
これは建売住宅を販売する不動産会社の思惑が逆効果になっているほんの一例です。
設備貸与契約による思惑
設備貸与契約は都市ガスには基本的にはありません。
しかしプロパンガス業界では、大家様へのメリット、建設会社、不動産会社のメリットが考慮されています。
消費者側にとってはデメリットともいえる戦略的競争が激化しています。
また賃貸物件を運用されている大家さまとガス会社、また不動産会社の意識の介入も非常に消費者を圧迫する結果を招いているのが実情です。
当協会はこうしたサービスが悪いのではなく、ガス会社が自由料金を良いようにしか捉えていない意識的な問題と考えています。
もしこのやり方を悪とするならば、ガス業界以外でも様々なサービスに影響し問題が生じる事になります。
各社サービス競争をする事は悪くありません。受けるサービス内容によって料金が違うのは当たり前です。
例えば大家様の導入メリットが多いプロパンガスという選択は都市ガスに対抗するための戦略でもあります。
しかし全てが都市ガスになってしまうと防災の観点からも一本化は適切ではありません。
問題は契約後の不透明ともいえる繰り返される値上げが大家様の知らないところで引き起きている事が問題と考えています。
値上げ通知は大家様へは行かず入居者様のみに知らされているのが現状です。
大家様がどのくらいのガス料金設定になっているかをご存知でない事の方が多い事からも裏付けされています。
当協会の活動による解決案
当協会は毎日多くの消費者様から直接お声を頂戴しており、ガス会社の気持ちも消費者の気持ちも理解していると自負しています。
エネルギー自由化に伴い、ガス会社もご自身で選ぶ時代です。
サービスと料金、どのガス会社が優れているかを選ぶようにしましょう。
選ぶ事ができない集合住宅や建売住宅の方も諦めずに当協会までご相談ください。
適切なガス料金をご案内すると共にできる限りのアドバイスを行っています。
一人一人が問題意識を持ち、ガス料金設定への理解を深めていただく事も重要です。
もちろん、入居者様よりも大家様も同時に意識改善する事が求められます。
安心して暮らせる物件構築には大家様のご協力が欠かせません。
大家様向けのご提案、ご相談も無料で受付アドバイスしております。