【激化するLPガスメーター競争】スマート検針による業務効率化

電力業界でもメーターがスマートメーターに変更され、ガス業界にも遅かれ早かれやってくると思われていたスマートメーター化。

有力なメーター企業が複数存在している中で、大きく告知を含めリードしたのはNECといえる。

多くのガス会社やメーター会社が開発や導入に取り組んでいます。その一部をご紹介していきます。

ミツウロコのスマートメーター

ミツウロコクリエイティブソリューションズ(製品情報リンク)NEC(リリース情報)の技術を導入し2019年10月から愛知県名古屋市にて実験的な導入をし成功に収めている。

ミツウロコの発表によるとガスメーター情報の取得率は99.3%、配送業務では配送回数を29.1%も削減し、配送業務時間は30.9%の削減に成功しています。

ガス会社を運営する側にとってはコストを削減できるメリットが大きいが、配送や保安業務の委託を受けている側の企業にとっては売上が削がれる技術革新になってしまうかもしれません。

さておき、様々な分野で自動化やAI化など、IoTへの意識も高まり業務効率化の技術革命がすでに起きています。

こうした現状の中でLPガス業界もどのようなソリューションを展開していくか注目されています。

ソフトバンクによるメーター通信ボード

NECだけではなく、ソフトバンク株式会社(リリース情報リンク)もスマートメーターの通信基盤開発を行っています。

IoT機器向け無線通信規格Cat. M1を採用し既存のLTEネットワークをそのまま利用できる。また、UバスエアによるFAN(Field Area Network)通信方式にも対応し、WAN圏外も自動的にFAN通信に切り替わる為、多くのエリアカバーが意識された優れた点を持つ。

通信機能を持つ全てのスマートメーターに対応できるインターフェイスを有している為、これから多くのメーター会社との連携が期待されています。

ソフトバンクを導入するアズビル金門

メーター大手のアズビル金門では、フランスに拠点を置くSIGFOX社の技術やソフトバンクの技術を取り入れ「ガスミエール」「K-SMα™」を発売しています。

アズビル金門(リリース情報リンク)

ニチガスが開発する「スペース蛍(ホタル)」

IoT 通信プラットフォーム SORACOM(製品情報リンク)とニチガス(日本瓦斯株式会社)がSigfoxとLTE-Mのハイブリッド通信によるメーター開発を行っています。

IoTデータ収集基盤システム「ニチガスストリーム」と連携された開発となっており、オリジナリティある開発に着手しています。

1時間のデータを収集する事ができる細かな顧客利用状況の把握が行える為、更なる業務効率化を創造できる製品となっています。

この技術の特筆すべき点は開栓時の立ち合いが不要といった点です。

多くのガス会社は開戦時に立ち合いを行い、開栓作業が発生しています。供給にあたって必要な作業もありますが、業務効率化を図るガス会社ならではの視点といえます。

さらに微小漏洩等も感知し、保安業務の可視化も可能となっています。

導入のメリットとは

どのスマートメーターの特徴も同じような内容であり、今後どのような機能追加によってリードしていくかも注目しています。

消費行動を抑制する事に繋がりそうではありますが、消費者側で今月の請求がリアルタイムで確認できるようになるのは便利かもしれませんね。

検針作業や配送業務の効率化が図れる為、メリットが大きくなるプロパンガス事業者にとってはメーター普及も視野にいれた戦略が激化していく事が予想されます。

一方で国策としても集中監視システムによる自動検針、スマートメーターの導入に賛同するカタチで、ガス会社に定められている保安距離にも影響が出てきています。

「ゴールド保安認定」される事業者は緊急対応の保安距離が緩和され、通常、供給地点より20km~30km圏内とされていた保安距離が60kmに供給エリアを拡げる事ができます。保安距離以外にも点検、調査頻度が4年に1回を5年に1回に軽減されるなどの優遇処置が設けられていうます。

ガス会社側のメリットを大きくし、導入を推奨している事が伺えます。(参照記事:経済産業省HPより)

普及への足枷

LPガス事業者の多くは都心部ではなく地方で昔ながらの運営体制を維持している事が多くなっています。

検針作業もガス会社側がある程度やり方はコントロールできているのが現状です。

IT化において取り残された運営者が多く、パソコンも持っていない事業者さんも数多くいらっしゃいます。

新しいものへの取り組みに長けている訳ではなく、加速する情報社会から取り残されているのです。

これは、ガス料金においても同様に、田舎の方がガス料金が高くなるのはガス会社の情報やガス代に関する情報などをパソコンやスマートフォンで検索して調べる行動が乏しい為と言えます。

情報は等しく発信されていますが、情報を検索し受け取る側は真新しい事に着手しない傾向にある事がわかります。

まだメーターを目でみて確認し書き留めるといった昔ながらのやり方を実践している業者は多く、全国にIoT化が普及するまでには時間を要しそうです。

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