LPガス業界大手のガスワングループ(いちたかガスワン)が北海道で都市ガス供給!
2020年3月18日付で北海道経済産業局へ届出をし登録が受理されました。
北海道ガス株式会社が道内一円へ天然ガスを供給する北海道最大手となっていますが、都市ガス自由化と共にLPガス業者の参入は全国各地で相次いでいます。
いちたかガスワンは、札幌支店・函館支店・帯広支店を拠点に展開し、道内広域を対応しています。
大手サイサンのグループである事からもサービスや保安面は安心できる会社と言って良いでしょう。
都市ガス業界では、2022年にガス誘導管が解放され、様々な事業者が参入し易い環境が整います。
電力自由化に始まり都市ガスへの参戦が開始され、道内の競争激化は避けられません。
都市ガスの普及率
住宅で利用されるエネルギーは主に3つです。
- プロパンガス
- 都市ガス
- 電力
平成27年度のデータを参照してみましょう。
対象 | ➀都市ガス | ➁簡易ガス | ➂プロパンガス |
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需要家件数 | 約2,635万件 | 約117万件 | 約2,450万件 |
ガス販売量 | 363億㎥/年 | 1.5億㎥/年 | 68億㎥/年 |
新電力事業者が増える中、都市ガス事業者も急増しています。
これは、電力と同様に既存の誘導管を借り受ける事で各社新規参入企業がお客様へ新たな都市ガス事業者として選択肢を増やす事ができます。
都市ガス小売り全面自由化と共に、更に都市ガス消費量が増える事が予想されます。
都市ガス普及率は2016年度では約50%程(日本ガス協会参照)と推測されていますが、人口が密集している都心部に集中している事から鑑みると面積では多くがプロパンガスとオール電化であると想定されます。
大都市である東京と大阪は80%を超える普及率を誇りますが、他の都道府県は10%を下回る事が多いのが現状です。
また災害大国である日本では、都市ガスを全面普及にする事は得策ではないとの見方も強まっています。
LPガスも都市ガスのような仕組みでバルク供給方式による簡易ガス化が進んでおり、防災の観点からも推奨されています。
ガス事業法改正するも誘導管配備はできない。
都市ガスの配管は地中にある埋設管となっています。
例えばガス漏れ等があった場合はたくさんの消費者への供給が止まる恐れがあるシステムとなっています。
保安確保の観点からもガス誘導事業者を自由化する事はせず、これまで通り技術基準適合維持義務等の保安規制を維持する事となっています。
賛否両論ありますが、住宅などへ引き込まれる誘導管に対してもこれまで通り既存の従来都市ガス事業者が全て点検から保安業務までを対応する事になっています。
こうしたコスト面が発生する事からも新規参入者の事業メリットを出すのは容易ではなく、それなりの契約数が必要になる事は必至です。
安全性確保の面からも意見は分かれていますが、完全な法整備はもう少し時間が掛かるかもしれません。
規制改革推進会議投資等ワーキング・グループ - 経済産業省説明資料参照
求められる消費者ニーズの反映
電力自由化、都市ガス自由化、そして水道民営化と光熱費に対する消費者意識が高まっています。
こうした中で各事業者が消費者に寄り添うサービスの充実が期待されています。
革新的な技術進歩が無い限り、現状の供給体制が大きく変わるものではありません。
多くの事業者が参入する事で、消費者主体の選択肢となり各社はサービスや価格競争が行われ市場が活性化すると考えられます。
今後の都市ガス自由化は、消費者の皆さんのご意見を反映させる為にも多くの方に関心を持って注目してもらいたいと思います。