新型コロナウイルス(COVID-19)の影響はエネルギー業界をも揺るがした戦後最大の驚異となった。
プロパンガス業界への影響ももちろんある。
これまでお伝えしてきた通り、原油価格の大きな変動(下落)は需要と供給のバランスを大きく崩した。
消費者にとって一時的にはガソリンなども値下げされ好印象だが、中長期的には楽観的にはなれない。
原油精算には大きなコストがかかっており、原油価格が精算コストを下回る事態は非常事態といえる。
OPECプラスは日量970万バレルの減産調整を7月〜8月まで延長する見通しとなっている。
消費量の減退はエネルギー業界の弱体化に繋がり、再生可能エネルギーを開発する予算への影響も懸念が拡がる。
まだまだ原油価格からは目が離せない状況といえます。
これから起きるプロパンガス価格への影響
止める事のできないプロパンガス業界の流通は通常運転時よりも各社の負担は大きくなった。
自宅勤務となるスタッフも多く営業活動も停滞している中で、今後の事業拡大に伴う各社の方向性は消費者を苦しめる事になるかもしれない。
これまでのプロパンガス業界体質をみていると売り上げを上げる為の値上げの可能性がある。
COVID-19の影響を受け安定しない原油価格情勢からもプロパンガス輸入価格は上下しています。
プロパンガス輸入価格は石油情勢に左右されます。世界的にも自粛要請が徐々に解除され、様々な消費が活性化していきます。
過去の推移をみれとパンデミック前の状況と変わらないにも関わらず、下記図のように価格高騰のタイミングで値上げする悪質な料金調整をする業者が多く存在しています。
検針表の「原料調整」や「原材料調整費」等の記載は単価調整をする意味合いがありますので注意しましょう。
※合成CPプロパン価格で算出:(合成CP=前月CP価格+当月CP価格)÷2
※輸送費も考慮されています。
※LPガス元売業者最大手のジクシス株式会社のCP推移
電力業界に起こる懸念とは
石油市場が安定しなくなる事を想定した構造改革は世界の問題です。
これまでのような体制から「分散型エネルギー強化」が余儀なくされる。
つまり再エネ業界には追い風になるようでいて、これまでの業界バランスが崩れるとそこには一長一短ともいえる市場の働きかけがある。
特に日本では電力会社の経営方針への影響も懸念されている。
つまり、原油価格の下落は再生可能エネルギー業界のコストと比較される側面があり、環境への配慮を除けばコストメリットが弱くなってしまう。
エネルギー業界のアフターコロナは再生可能エネルギー開発が停滞予想とされ、今後の開発資金投下の弱体化が起きるかもしれない。
そんな中、NNA ASIAで報じられているのはタイやベトナムを例に挙げている。
※NEWS LINK:コロナ禍、再エネ開発に試練 消費減と油価下落で構造改革論も