テキサス産軽質油（WTI）の4月終値、また２０２０年３月6日のNY原油先物価格は1バレル＝41・28ドルとなり前日比4・62ドル（10％）下落を見せている。原油価格に紐づくLPガス価格がみなさまの生活にも影響を及ぼす可能性が大きくなってきました。
コロナウィルス感染拡大の矢は瞬く間に世界中に拡がり、感染ペースが鈍化する一方でまだまだ終息の域には達していない。 需要が落ち込み価格下落を加速させている。
こうした最中、注目される原油国の動きが活発になっており、石油輸出国機構（OPEC）も危機感を募らせている。
受給バランスが悪化し、これまでの市場とは打って変わり安値を更新している。
OPECは2020年2月12日の2月号の月報では、前月から25万バレル下方修正を発表している。OPECとOPECプラス（非加盟主要産油国）で行われた協調減産協議に注目が集まり、受給バランスの下支えになると期待されていた。
このままではロシアが協調減産へ反発の意向を示しており、120万バレルから更に170万バレルの協調減産枠の拡大は実現できない。OPECプラスはこれまで協調減産体制にそもそも賛成していない格好だった。ここにきてコロナウィルスの影響で更なる協調減産に難色を示している。
これはロシアが石油依存した収益モデルではなく、原油急落も許容範囲であるとの見解を示している。
米国とロシアの関係が複雑に絡んできているとの見方もある。
この決裂によってもちろん株価にも影響が出てきている。2019年11月にはOPECプラスが減産強化の見通しから緩やかに株価は上昇していたが、1月10日頃から下落が続いている。
今後の石油価格によってLPガス価格へも大きな影響が出てくる。
消費者にとっては一時的な値下りが期待されるものの長期的な混乱状態は中東およびアメリカの経済を揺さぶる形となってしまい、消費者にとっても逆効果に働く可能性が高いとみている。
コロナウィルスは人体だけではなく、経済的にも大きな問題となり、消費生活の中にも影響していく。
世界が原油依存している事がわかるが、これから先の時代を見据えた新たなエネルギーのあり方を考えさせられます。
